ノートPCを持ち歩きながら作業していると、小さなカフェのテーブルや新幹線のテーブルでマウスを動かすスペースが足りない…と感じることが多いと思います。そこで気になってくるのが、小型トラックボールを持ち運び前提で使うスタイルですよね。
ただ、いざ調べてみるとトラックボールの小型ワイヤレスモデルや携帯用トラックボール、ノートPC向けトラックボール、トラックボールの小型静音モデル、トラックボールをiPadで使うパターン、さらに親指トラックボールの持ち運びなど、情報が一気に出てきて「結局どれを選べばいいの?」となりがちです。
この記事では、小型トラックボールを持ち運びで使うときのメリットとデメリット、具体的なおすすめモデルの特徴、ノートPCやiPadでの使い方、ケースやアクセサリの選び方まで、私の実体験ベースでまとめていきます。あなたが自分の作業スタイルに合う一台をイメージできるように、「ここが気になるよね」というポイントをひとつずつ整理していくので、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。
小型トラックボールをどう持ち運ぶか、どの場面で使うかがハッキリしてくると、モデル選びの失敗はかなり減らせます。外出用の一台を探しているあなたの判断材料になれば幸いです。
- 小型トラックボールを持ち運びで使うメリットと注意点
- ノートPCやiPad向けのトラックボールの選び方の軸
- 代表的な小型トラックボールの比較とおすすめパターン
- ケースやメンテナンスを含めた長く快適に使うコツ

小型トラックボール持ち運び入門
まずは「そもそも小型トラックボールを持ち運ぶ意味ってどこにあるの?」というところからスタートします。この章では、携帯用トラックボールならではのメリット、ノートPCとの相性、小型ワイヤレスや小型静音モデルの選び方、そして親指トラックボールを外で快適に使うコツまで、ベースになる考え方をまとめていきます。
携帯用トラックボールのメリット
携帯用トラックボールの一番分かりやすいメリットは、やっぱり省スペースで使えることです。カフェの小さな丸テーブルでも、膝の上でも、本体を置くスペースさえあれば問題なく操作できます。
普通のマウスだと、どうしてもマウスパッドを大きく動かす必要があって、隣の人の肘とぶつかったり、テーブルの端で何度も持ち直したりしがちですよね。トラックボールは本体を一切動かさずに指だけでカーソルを動かせるので、こういったストレスがかなり減ります。
もうひとつ大きいのが、腕や肩への負担が軽くなることです。私自身、ノートPCで一日中作業していると、マウスを振り続けるだけで肩がガチガチになっていましたが、携帯用トラックボールに切り替えてからは、移動中やカフェ作業の後の疲れ方がかなり変わりました。
携帯用トラックボールの主なメリット
- 狭いテーブルや膝の上でも省スペースで操作できる
- 本体を動かさないので腕や肩の負担が軽くなりやすい
- マウスパッド不要で、机の材質にほとんど左右されない
- ノートPCやタブレットと一緒にどこでも同じ操作感を持ち運べる
もちろん、最初はマウスと操作感が違うので少し練習は必要です。ただ、毎日のように持ち歩いて使っていると、1〜2週間くらいで「むしろこっちのほうがラクだな」と感じる場面が増えてくるはずです。
ノートPC向けトラックボール入門
ノートPCにはトラックパッドが付いているので、「わざわざトラックボールを持ち歩く意味ある?」と感じる人も多いと思います。結論から言うと、カーソル移動の量が多い作業ほど、ノートPC向けトラックボールの恩恵が大きいです。
たとえば、ブラウザでタブを行き来しながら資料を作ったり、スプレッドシートで大量のセルを選択したり、メモアプリとチャットアプリを行ったり来たりするような作業ですね。トラックパッドでももちろんできますが、指二本・三本ジェスチャーを多用すると、指先や手首が疲れてきます。
ノートPC向けトラックボールを導入するときは、最初からトラックパッドを封印する必要はありません。ブラウジングやテキスト編集など「細かいカーソル移動が多い作業」だけトラックボール、「ジェスチャーが便利な操作」はトラックパッドといった感じで、しばらく両刀で慣れていくのがおすすめです。
ノートPC向けトラックボールを選ぶときは、以下のポイントを意識すると失敗しにくいです。
- 本体サイズがノートPCの横に置いても邪魔にならないか
- クリック音がうるさくないか(カフェや図書館で使うなら静音が有利)
- 接続方式が自分のノートPCの端子・OSに合っているか
- トラックボールが向いている作業が自分の用途と合っているか
トラックボールがどんな作業に向いているか、より広い視点で整理したいときは、トラックボールが向いている作業と選び方をまとめた記事も合わせて読んでもらうと、ノートPCでの役割がイメージしやすくなると思います。
トラックパッドとトラックボールの使い分け
私のおすすめは、カーソルの「位置合わせ」はトラックボール、ジェスチャー操作はトラックパッドという分担です。ウィンドウの移動やテキスト選択など、ピタッと止めたい操作はトラックボールが得意分野。一方で、デスクトップ切り替えやスクロールなど「流れ」で動かしたい操作は、トラックパッドのほうが直感的なことも多いです。
小型ワイヤレストラックボール選び
持ち運び前提なら、多くの人が気になるのが小型ワイヤレストラックボールです。ケーブルがないだけで荷物の取り回しが一気にラクになりますし、カフェやコワーキングスペースでも机の上がスッキリします。
ワイヤレス方式はざっくり分けると「Bluetooth」と「USBレシーバー(2.4GHz)」の2種類があります。
- Bluetooth:ノートPCやiPad、スマホでも使いやすい。レシーバー不要でポートも塞がない
- USBレシーバー:接続が安定しやすく、ペアリングも挿すだけで簡単。ただしレシーバーを持ち歩く必要がある
具体的な小型ワイヤレスモデルとして、私が携帯用途でよく候補に挙げるのは次のあたりです(サイズや重量は、あくまで一般的な目安です)。
代表的な小型ワイヤレストラックボール比較
| モデル | 操作タイプ | 接続方式 | サイズ感 | 持ち運びの印象 |
|---|---|---|---|---|
| ロジクール ERGO M575 | 親指 | Bluetooth+USBレシーバー | やや大きめ | 普段使い兼用。カバン内では少し存在感あり |
| エレコム bitra 親指タイプ | 親指 | Bluetooth(マルチペアリング) | かなり小さめ | カバンやポーチに入れてもかさばりにくい |
| ナカバヤシ Digio2 小型モデル | 親指 | Bluetooth | 手のひらサイズ | 軽くて持ち運びしやすいバランス型 |
| サンワ 400番台小型モデル | 親指 | Bluetooth(3台切替) | コンパクト | 価格と機能のバランスが良くサブ機にも向く |
| ケンジントン Orbit Mobile | 人差し指 | USBレシーバー | やや厚みあり | 指先操作の精密さとモバイル性を両立 |
Bluetoothで複数台とペアリングできるモデルは、自宅ノートPC・会社のPC・iPadのように3台を行き来したい人にはとても便利です。一方で、USBレシーバー型は、Bluetoothが不安定な環境や、会社PCに勝手にBluetooth機器を登録しづらい場合に重宝します。
価格帯はおおむね3,000〜8,000円くらいに収まることが多いですが、セールや在庫状況で結構変動します。正確な情報は公式サイトをご確認ください。
小型静音トラックボールの利点
カフェや図書館、夜の自宅などで使うことを考えると、小型静音トラックボールはかなり魅力的です。クリック音が「カチッ」と鳴るだけで、意外と周囲の人は気付くものなんですよね。
最近の小型トラックボールは、静音スイッチを採用したモデルが増えてきました。ロジクール M575 の静音バージョンや、エレコム bitra、ナカバヤシ Digio2、サンワの一部モデルなどは、パッと触っただけでも「お、静かだな」と感じるレベルです。
静音モデルが向いているシーン
- カフェやコワーキングスペースで、周囲に気を遣いながら作業したいとき
- 同じ部屋に家族が寝ている夜間の作業
- オンライン会議中に、マイクがクリック音を拾ってほしくないとき
- 図書館や自習室など、音に敏感な環境
静音スイッチは、一般的なクリックよりも「カチッ」という感触が少しマイルドになります。そのぶんクリック感が軽く感じられることもあるので、しっかりクリック感が欲しい人には少し物足りないと感じる場合もあります。
個人的には、「外で静かに使いたい小型トラックボール」と「自宅でハッキリしたクリック感が欲しいフルサイズ機」を使い分けるのが一番バランスがいいかなと思っています。
親指トラックボールの持ち運び術
携帯用トラックボールとして人気が高いのは、やはり親指トラックボールです。一般的なマウスに近い形で、親指だけでボールを回すスタイルなので、マウスから乗り換えても違和感が少ないのが大きなメリットですね。
ただ、親指トラックボールを持ち運びで使うときには、いくつか工夫しておくと快適度がグッと上がります。
ケースやポーチでボールを守る
親指トラックボールは、ボール部分がむき出しになっていることが多く、そのままカバンに放り込むとホコリやゴミが付着しやすくなります。砂粒や硬いゴミが入ると、最悪ボールや支持球にキズが付くこともあるので、シンプルなポーチに入れて持ち歩くのがおすすめです。
専用ポーチ付きのモデルもありますが、サイズが大きすぎて逆にかさばるケースもあります。私は、薄めのセミハードケースか、クッション性のある小物ポーチに入れておくことが多いです。ケース選びをガッツリ深掘りしたいなら、トラックボールのケース選びをまとめた記事も参考になると思います。
親指の負担を減らす使い方
親指トラックボールを長時間使っていると、親指の付け根が少し張ってくることがあります。これは、マウスとは違う筋肉を使っているので、慣れるまでは仕方ない部分もあります。
負担を減らすコツとしては、次のようなものがあります。
- カーソル速度を少し高めに設定し、親指の動きを小さくする
- ボール操作とクリックを、親指と人差し指で上手く分担する
- 1〜2時間に一度は手を離して、軽くストレッチを挟む
親指操作のメリットや、他の操作タイプとの違いをもっと詳しく知りたいときは、トラックボール親指操作の快適性とおすすめ製品をまとめた記事も役に立つと思います。
持ち運びやすい小型トラックボール比較
ここからは、具体的にどんな小型トラックボールが持ち運びと相性がいいのかを、用途別にもう少し掘り下げていきます。iPad対応のワイヤレスモデル、ノートPC向けの親指トラックボールの比較、携帯用トラックボールとケースの組み合わせ、小型静音モデルならではの注意点、そして最後に小型トラックボール持ち運び全体のまとめ、という流れで見ていきます。
iPad対応ワイヤレストラックボール
最近は、iPadをノートPCの代わりに外で使う人も増えています。そんなときに便利なのがiPad対応ワイヤレストラックボールです。iPadOSは正式にマウス・トラックパッド・トラックボールに対応しているので、Bluetooth接続のモデルならかなりスムーズに使えます。
iPadで使うときにチェックしておきたいポイントは、だいたい次の3つです。
- Bluetooth接続に対応しているか(USBレシーバー専用だとiPadでは使いにくい)
- ボタン数が自分の作業に必要な分だけあるか
- 本体サイズがiPad用のケースやスタンドと一緒に持ち運んでも邪魔にならないか
個人的にiPad用との組み合わせで使いやすいと感じたのは、エレコム bitra のBluetoothモデルや、ナカバヤシ Digio2 の小型Bluetoothモデルあたりです。どちらも小さめで、iPadと一緒にショルダーバッグに入れてもかさばりにくいのが好印象でした。
iPadOSの対応状況や、各トラックボールの正式な対応OSはアップデートで変わる可能性があります。購入前には、必ずメーカーの公式サイトや最新のマニュアルを確認してください。ここで触れている内容はあくまで一般的な目安であり、正確な情報は公式サイトをご確認ください。操作姿勢や健康面に不安がある場合など、気になる症状があるときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。
ノートPC用親指トラックボール比較
「ノートPCで一日中コードを書いたり資料を作ったりするけど、外にも持っていきたい」という人には、ノートPC用親指トラックボールが一番バランスが取りやすいと思っています。
サイズと重さのざっくりした目安
ざっくりしたイメージですが、主要な親指型小型トラックボールのサイズ感はこんな感じです(数値は公称値ベースの一般的な目安です)。
- ロジクール M575:幅約10cm・重量約145g前後で、据え置き寄りの中型サイズ
- ナカバヤシ Digio2:全長約9.5cm・重量100g前後で、手のひらに収まるコンパクトさ
- エレコム bitra 親指タイプ:さらに一回り小さく、ポーチに入れてもかなり省スペース
- サンワ 400番台小型モデル:一般的な小型マウスに近いシルエットで、重さも100g前後
私の感覚では、「普段は自宅のデスクでもガッツリ使うならM575」「とにかく荷物を軽くしたいならbitraやDigio2」「仕事用ノートPCとセットで常に持ち歩くならサンワ系」という住み分けがしっくりきます。
クリック感とボールの転がり
ノートPC用として毎日使うなら、クリック感とボールの転がりはかなり重要です。メーカーやモデルごとに個性があるので、可能なら店頭で触ってみるのがベストですが、それが難しい場合はレビューをよく読むしかありません。
親指型と人差し指型の操作感の違いをもう少し深掘りしたいときは、人差し指タイプのトラックボールを比較した記事もあわせてチェックしてもらうと、選択肢の幅が広がるはずです。
携帯用トラックボールとケース選び
小型トラックボールを持ち運ぶときに地味に効いてくるのがケース選びです。ボール部分はどうしてもホコリやゴミに弱いので、むき出しでカバンに入れると、気づかないうちに細かいゴミが付いて動きが悪くなったりします。
ケース選びのポイント
携帯用トラックボールのケースを選ぶときは、次のポイントを意識すると失敗しにくいです。
- 内寸がトラックボール本体に対してキツすぎず、ゆるすぎないか
- ボール部分に直接硬いものが当たらない構造になっているか
- ファスナーや縫い目がボールやボタンに擦れないか
- カバンに入れたときの厚みが許容範囲か(セミハードケースは安心だけど厚くなりがち)
個人的には、薄めのセミハードケース+小さな布ポーチという二重構成が一番安心感があります。移動が多い日や、リュックの中に他の荷物をパンパンに詰める日だけセミハードケースに入れ、近所のカフェに行くだけなら布ポーチだけで済ませる、という使い分けもありです。
ケースに関しては、測り方や素材の違い、Amazonや楽天での探し方などをまとめたトラックボールのケース選びガイドもあるので、「ケース選びが沼になりそう…」と思ったらそちらも覗いてみてください。
小型静音トラックボールの注意点
最後に、小型静音トラックボールならではの注意点も触れておきます。静かでコンパクトというのは大きな魅力ですが、そのぶん割り切りが必要なところもあるんですよね。
小型ゆえの持ちにくさ・疲れやすさ
本体が小さすぎると、手の大きい人はどうしても「つまんで持つ」ようなグリップになりがちです。この状態で長時間使うと、指や手のひらが窮屈に感じてくることがあります。
特に、エレコム bitra のような超小型モデルは、携帯性の代わりにグリップ感をある程度犠牲にしています。「外では1〜2時間の軽作業が中心、自宅では別のトラックボールを使う」くらいの割り切りで選ぶと、ちょうどいいバランスになります。
ボールのメンテナンス頻度
小型トラックボールはカバンやポーチに出入りする回数が多い分、ボールにホコリが付きやすいです。動きが少しザラッとしてきたら、ボールを外して、支持球やセンサー周りを柔らかい布や綿棒で軽く拭いてあげてください。
清掃の頻度や方法は、あくまで一般的な目安です。潤滑剤やクリーナーを使う場合は、必ず各製品の説明書や公式サイトの注意書きをよく確認してください。トラックボール本体やボールを傷めてしまうリスクもゼロではないので、気になる場合はメーカーサポートや、メンテナンスに詳しい専門家に相談しつつ進めるのが安心です。
小型トラックボール持ち運びのまとめ
ここまで、小型トラックボール持ち運びのメリットや、ノートPCやiPad向けの選び方、親指トラックボールの使い方、ケース選びや静音モデルの注意点まで、一通り見てきました。
あらためてポイントをまとめると、こんな感じかなと思います。
- 「どこで」「どのくらいの時間」使うかを具体的にイメージしてからモデルを選ぶ
- ノートPCやiPad中心なら、小型ワイヤレスかつ静音モデルが使いやすい
- 親指トラックボールはマウスからの乗り換えがしやすく、携帯用としてもバランスが良い
- ケースやメンテナンスまで含めて考えると、小型トラックボール持ち運びの快適さが一気に上がる
小型トラックボールは、ハマる人には本当に心強い相棒になります。一方で、すべての人にとっての正解というわけでもありません。あなたの作業スタイルや手の大きさ、持ち運びの頻度に合わせて、今回の内容を参考にしつつ、自分に合いそうな一台をじっくり選んでみてください。
サイズや重量、対応OS、価格などのスペックは変わることもあるので、最終的には各メーカーの公式ページや販売ページをチェックしてから購入するのがおすすめです。正確な情報は公式サイトをご確認ください。もし肩や手首の痛みなど健康面で気になる点がある場合は、トラックボールに限らず作業環境全体を見直しつつ、最終的な判断は専門家にご相談ください。


コメント